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大阪大学の研究者、グラフェンを使った新しいバイオセンシング手法を開発



大阪大学の研究者らは、グラフェンを使った新しいバイオセンサーを発明しました。グラフェンを利用して、胃の内壁を攻撃する細菌や胃がんに関連する細菌などを検出します。

バクテリアがバイオセンサーと相互作用すると、グラフェンによって検出される化学反応が引き起こされます。化学反応生成物の検出を可能にするために、研究者達はマイクロフルイディクスを使用して、センサーの表面に近い小さな液滴でバクテリアを封じ込めました。

研究者たちは、シグナルの遮断とスクリーニングの制限を克服するために、小さな水滴に加えたある種の化学物質の存在下で細菌によって行われている化学反応をモニターすることにしました。

反応で生成された化学物質は抗体よりはるかに小さく、それらはそれらの間を容易に滑り、グラフェン表面に到達する可能性があります。マイクロフルイディクスを介して生成される液滴中の細菌を分析することによって、細菌およびそれらの反応生成物をグラフェン表面の近くに維持することができ、反応生成物の濃度さえも監視することができます。

「私たちのバイオセンサーは、明確に定義された微量で反応を制限することによって、胃潰瘍や胃がんを引き起こす細菌の高感度で定量的な検出を可能にします」と、共同研究者の松本和彦氏は述べています。

この研究成果は、2019年6月3日(月)に米国科学誌「Nano Letters」(オンライン)に掲載されました。


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